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介護の採用1位は「友人・知人の紹介」🤝 人間関係が採用力になる時代へ

人が集まらない、募集を出しても応募が来ない——。福祉・介護の現場で、採用は長年の悩みです。そんな中、介護ニュースJointが2026年8月20日に報じた「進むリファラル採用 介護職員の就職経路、トップは『友人・知人』」という記事が、現場に大切な示唆を投げかけています。

リファラル採用とは、働いている職員が友人や知人を紹介する採用手法のことです。今回の調査では、採用する側・される側の双方で「友人・知人からの紹介」が第1位という結果が出ました。求人サイトでも人材紹介会社でもなく、いま最も人を連れてきているのは「職員そのもの」だったのです。

この記事では、この調査結果を起点に、障がい福祉・高齢者介護の現場が今日から何を見直すべきかを、わおん北海道の視点も交えて考えていきます。

📰 今回取り上げるニュース

今回取り上げるのは、介護ニュースJointが2026年8月20日に配信した記事「進むリファラル採用 介護職員の就職経路、トップは『友人・知人』 カギは良好な人間関係」です。

元になっているのは、介護労働安定センターが公表した最新の「介護労働実態調査」。この調査は昨年10月に実施され、全国の事業所8,955件、労働者2万675人という非常に大きな規模から有効回答を得ています。福祉・介護の労働環境を語るうえで、毎年注目される代表的な調査のひとつです。

その結果から浮かび上がったのが、「採用の入口が、求人媒体から人のつながりへと移りつつある」という現実でした。

📊 数字で見る調査結果のポイント

報道されている主な数字を整理すると、次のようになります。

項目 結果
事業所が最も多く実施している採用活動 職員に友人・知人などの紹介を依頼/66.0%
そのうち「効果があった」と回答 47.3%(有料職業紹介所の活用53.4%に次ぐ)
介護従事者が現在の法人に就職した主な経路の1位 友人・知人からの紹介/33.8%
就職した主な理由の1位 通勤が便利だから/51.8%
就職した主な理由の2位 職場の人間関係が良さそうだったから/35.1%
ポイント:採用する側の3分の2が「職員からの紹介」に頼っており、実際に就職した人の3人に1人がその経路で入職している。つまり、採用活動の主役は、すでに現場の職員一人ひとりになっている、ということです。

もうひとつ見逃せないのが、就職理由の2位に「職場の人間関係が良さそうだったから」が入っている点です。1位の「通勤が便利」は事業所側で変えることが難しい条件ですが、人間関係は日々の積み重ねで変えられます。ここに、採用改善のヒントが隠れています。

🔍 なぜ「友人・知人の紹介」が強いのか

求人票やホームページからは、どうしても伝わりにくい情報があります。職場の空気、職員同士の距離感、忙しいときの助け合い方、上司の関わり方——。応募を迷っている人が本当に知りたいのは、まさにそこです。

紹介という経路は、その「見えない部分」を先に伝えてくれます。実際に働いている人から直接聞ける情報は、どんな広告よりも具体的で、信頼されやすいのです。

福祉・介護の仕事は、人の暮らしに深く関わります。だからこそ、入職前に現場の実像を知っているかどうかが、その後の定着に大きく影響します。紹介による入職者が続きやすいと言われる背景には、こうした「入る前のミスマッチが少ない」という構造があります。

執筆時点で確認できる範囲では、この調査は紹介経路と定着率の関係までは示していません。ただ現場の感覚として、「知り合いがいる職場は辞めにくい」という実感を持つ管理者は少なくないのではないでしょうか。

⚖️ リファラル採用が機能する職場・しない職場

ここで冷静に考えたいのは、リファラル採用は「制度をつくれば動く」ものではないということです。

紹介制度や紹介手当を導入しても紹介が起きない事業所は、決して珍しくありません。理由はシンプルで、職員が自分の友人を誘いたくないからです。

注意したい点:紹介は「自分の人間関係を職場に差し出す行為」です。職場に自信が持てなければ、誰も大切な友人を紹介しません。紹介が起きない状態は、採用の問題ではなく職場環境からのサインと受け止めるほうが建設的です。

逆に、紹介が自然に生まれている職場には、共通点があるように思います。

  • 困ったときに「助けて」と言える空気がある
  • 新人が孤立せず、教える人が決まっている
  • ミスを責めるのではなく、仕組みで直そうとする
  • 管理者が現場の声を聞き、実際に何かが変わる
  • 自分の仕事に意味を感じられる場面がある

どれも派手な施策ではありません。しかし、こうした日常の質こそが、結果として採用コストを下げていきます。

🏠 障がい者グループホームの現場にとっての意味

今回の調査は介護分野が中心ですが、示している構造は障がい福祉の現場にもそのまま当てはまります。むしろ、障がい者グループホームや共同生活援助の現場では、より切実かもしれません。

グループホームは、少人数の職員が交代しながら利用者様の生活を支える場です。夜勤や早番・遅番を含むシフトの中で、職員同士が顔を合わせる時間は限られます。だからこそ、情報共有の質と、チーム内の信頼関係が支援の質を左右します。

人が抜けたときの影響も大きく、1人の退職が残る職員の負担を一気に押し上げてしまうこともあります。採用と定着は、経営課題であると同時に、利用者様の生活の安定に直結するテーマなのです。

なお、障がい福祉分野では職員研修や管理者要件をめぐる制度面の議論も続いています。制度・報酬・加算に関する取り扱いは変更されることがあるため、実務にあたっては必ず最新の行政通知をご確認ください。

👨‍👩‍👧 利用者様・ご家族にとっての意味

「採用の話は事業者側の事情でしょう」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。けれど、グループホームや介護サービスを選ぶご家族にとっても、この話は無関係ではありません。

職員が続いている事業所は、支援の積み重ねが途切れません。利用者様の小さな変化に気づける人が現場に残っているということは、それ自体が安心につながります。

見学時に見てほしいこと:設備の新しさだけでなく、職員同士がどんな話し方をしているかを見てみてください。挨拶の交わし方、相談のしやすそうな雰囲気、利用者様への声のかけ方。数字には表れない部分に、その事業所の日常が表れます。

「この職場なら友人を誘えるか」という職員側の視点は、実は「この事業所に家族を託せるか」というご家族の視点と、驚くほど重なっています。

❄️ 札幌・北海道の福祉現場にとっての意味

札幌・北海道の福祉現場では、冬期の通勤負担や広域な移動距離といった地域特有の事情があります。就職理由の1位が「通勤が便利だから」であったことを踏まえると、この地域では通勤条件が採用に与える影響はさらに大きいと考えられます。

一方で、通勤距離は事業所側の努力では変えられません。だからこそ、変えられる要素——職場の人間関係、働き方の柔軟さ、教育体制——にどれだけ丁寧に取り組めるかが、地域内での差になっていきます。

また、道内の福祉業界は、思っている以上に横のつながりが濃い世界でもあります。良い評判も、そうでない評判も、人づてに広がります。日々の職場づくりが、そのまま地域での採用力になっていく——それが北海道の福祉現場の実感ではないでしょうか。

🐾 わおん北海道の視点

わおん北海道は、「人間福祉と動物福祉の追求」を経営理念に、保護犬・保護猫と一緒に暮らせるペット共生型の障がい者グループホームを札幌市内で運営しています。訪問看護・訪問介護とも連携し、暮らし全体を支える体制づくりを進めてきました。

私たちが大切にしているミッションの一つに、「利用者と職員が生きがい・働きがいを持てる環境をつくる」があります。今回の調査結果は、この考え方が理想論ではなく、採用という現実的な経営課題にも直結していることを示してくれたように感じます。

現場では、保護犬・保護猫の存在が会話のきっかけになる場面が多くあります。「今日、あの子ごはん食べた?」という一言から、利用者様と職員、職員同士の対話が生まれる。動物との関わりが、職場の空気をやわらげてくれることは少なくありません。

また、記録や情報共有にはkintoneを活用し、AIも取り入れながら間接業務の負担軽減を進めています。事務作業に追われる時間が減れば、職員が利用者様と向き合う時間や、お互いに声をかけ合う余裕が生まれます。DXは効率化のためだけでなく、人間関係を育てる余白をつくるためのものでもある、と考えています。

✅ 今日から意識できる5つの実践ポイント

調査結果を、明日からの行動に落とし込むとすれば、次の5つが考えられます。

  1. 職員に「この職場を友人に勧められるか」を聞いてみる
    匿名アンケートでも構いません。その答えが、現在地を最も正直に示してくれます。
  2. 新人が最初の1か月で誰と話すかを設計する
    教える人・相談できる人を明確に決めておくだけで、孤立は大きく減ります。
  3. 紹介制度は「手当」より先に「環境」を整える
    金額を上げても、職場に自信がなければ紹介は生まれません。順番が逆にならないように。
  4. 退職時の理由を、責めずに聞き取る
    去る人の言葉には、残る人が言えずにいる課題が含まれていることがあります。
  5. ご家族・見学者には「働く人の様子」も見てもらう
    職員が安心して働けている現場は、利用者様にとっても安心できる現場です。
ポイント:どれも予算をほとんど必要としません。採用難の時代における最大の投資先は、実はいま働いている職員との関係性なのかもしれません。

📝 まとめ

介護労働実態調査が示したのは、採用活動の66.0%が職員の紹介に依存し、実際の入職経路でも33.8%が友人・知人からの紹介だったという事実でした。そして就職理由の2位には「職場の人間関係が良さそうだったから」が入っています。

これは、採用を担当部署の仕事から、現場全員の日常の延長線上にあるものへと捉え直す必要があることを意味しています。求人媒体の見直しよりも先に、職員が誇りを持てる職場になっているかを問い直す。遠回りに見えて、それが最短距離なのかもしれません。

わおん北海道でも、利用者様・職員・保護犬猫が、それぞれ安心して過ごせる場づくりを、これからも一つずつ積み重ねていきます。「共に生きる」というミッションは、支援の場だけでなく、働く場の話でもあると考えています。

障がい者グループホーム、訪問看護、訪問介護に関するご相談や見学のご希望がありましたら、お気軽にお問い合わせください。

参考・参照元

※本記事は執筆時点で公表されている情報をもとに構成しています。制度・報酬・加算などの取り扱いは変更される場合がありますので、実務にあたっては必ず最新の公的情報をご確認ください。

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