デイサービス倒産が上半期で過去最多に|コスト増・人材難が福祉事業経営に問いかけることNews

  1. ホーム
  2. ブログ&お知らせ
  3. デイサービス倒産が上半期で過去最多に|コスト増・人材難が福祉事業経営に問いかけること

デイサービス倒産が上半期で過去最多に|コスト増・人材難が福祉事業経営に問いかけること

2026年、介護事業経営が岐路に立っています。東京商工リサーチの調査によると、2026年1〜5月のデイサービス(通所介護)の倒産件数が27件に達し、2000年以降の上半期として過去最多を記録しました。前年同期比68.7%増という急増ぶりは、介護業界全体に重い問いを投げかけています。コスト増と人材難が直撃する今、福祉事業者・利用者・ご家族それぞれが知っておくべきことを整理します。

📰 今回取り上げるニュース

今回は、介護ニュースJoint(2026年6月12日掲載)の記事「デイサービスの倒産、上半期で過去最多に 目立つ零細事業者の不振 コスト増や人材難が直撃=東京商工リサーチ」を取り上げます。

ニュースの概要:東京商工リサーチの調査によると、2026年1月〜5月のデイサービス(通所介護)の倒産件数が27件に達し、2000年以降の上半期(1〜6月)として過去最多だった25件を早くも上回りました。前年同期比68.7%増という急増ペースで、コスト増・人材難・競争激化が主な要因。9割超が従業員10人未満の零細事業者です。

デイサービス(通所介護)は、高齢者が自宅から施設に通い、入浴・食事・機能訓練などを受けるサービスです。全国に4万か所以上の事業所があるとされ、多くの高齢者とそのご家族を支える重要な社会インフラです。その倒産が急増しているというニュースは、業界関係者だけでなく、利用者のご家族にとっても他人事ではありません。

介護事業者の倒産は2024年・2025年と過去最多を更新し続けており、2026年はさらにそのペースが加速しています。デイサービスの動向は、介護業界全体の縮小・淘汰フェーズが本格化していることを示すシグナルでもあります。

📊 数字で見るデイサービス倒産の実態

東京商工リサーチの調査から、具体的な数字を確認します(執筆時点で確認できる範囲の情報です)。

項目 2026年(1〜5月) 前年同期
デイサービス倒産件数 27件 16件
前年同期比 +68.7%増
従業員10人未満の割合 9割超
人手不足倒産件数 8件 1件
業績不振・赤字累積が原因の割合 8割超

特に注目すべきは人手不足による倒産が前年の1件から8件へ急増していることです。人件費高騰が5件、後継者難が2件と、採用・定着・事業継続に関わる問題が深刻化しています。

また、倒産の原因の8割超が「売上不振(販売不振)」や「赤字累積」であることから、コスト増に対して収益が追いつかない構造的な問題が浮き彫りになっています。

🔍 倒産を引き起こした3つの要因

なぜこれほど倒産が増えているのか。背景を整理すると、大きく3つの要因が重なっています。

① コストの上昇

食材費・光熱費・燃料費の値上がりは、デイサービスの運営に直接的なダメージを与えています。送迎のための燃料代、入浴・食事にかかるコスト、設備維持費など、サービスを提供するためのあらゆる費用が上昇しています。一方で、介護報酬の改定がコスト増に見合うペースで行われているわけではなく、収支が悪化している事業所が増えています。

② 人材確保の困難と人件費高騰

介護業界全体で深刻な人材不足が続いています。賃金水準の高い他業種への人材流出が加速し、採用コストも年々上昇しています。せっかく採用してもすぐに辞めてしまう、慢性的な人手不足でシフトが組めない、という状況が経営を圧迫しています。

⚠️ 注目:人手不足による倒産は前年の1件から8件へ急増しています。人件費高騰が5件、後継者難が2件と、採用・定着・後継ぎ問題が同時に押し寄せている状況です。

③ 競争の激化とサービスの多様化

デイサービスは長年「預かり型」として運営されてきましたが、近年は機能訓練特化型・認知症対応型・リハビリ特化型など多様なサービス形態が増えています。差別化が求められる一方で、小規模事業者がサービスの質を高め続けるには限界があります。利用者の確保においても競争が激しくなっており、稼働率が低迷する事業所が収益を維持できない状況が続いています。

⚡ なぜ今、このニュースが重要なのか

デイサービスの倒産急増は、介護業界全体の「縮小・淘汰」フェーズが加速していることを示すシグナルです。2024年・2025年と介護事業者の倒産は過去最多を更新し続けており、2026年はさらにそのペースが上がっています。この流れは、デイサービスだけにとどまりません。訪問介護、訪問看護、住宅型有料老人ホーム、障がい者グループホームなど、福祉・介護全般にわたる構造的な問題です。

✅ ポイント:倒産が増えるということは、利用者が「今使っているサービスが突然なくなる」リスクが高まるということでもあります。事業所の安定性・継続性は、利用者・家族にとって非常に重要な選択基準です。

👨‍👩‍👧 利用者・ご家族が知っておくべきこと

介護サービスを利用中の方、またはこれから利用を検討している方・ご家族にとって、このニュースは「サービスの安定性を見極める視点」を持つきっかけになります。事業所が突然閉鎖した場合、利用者は新しいサービスへの移行を迫られます。特に要介護度が高い方や、認知症のある方にとっては、環境の変化は大きな負担です。

事業所選びのチェックポイント

  • 運営年数・法人の規模感:単体事業所か、複数サービスを展開する法人かを確認する
  • 職員の安定性:スタッフが安定して働いているか、離職が多くないかを雰囲気で感じ取る
  • サービスの種類と連携体制:訪問介護・看護などと連携し、包括的に支えてもらえる体制があるか
  • 経営の透明性・情報発信:ホームページ・SNSなどで取り組みや考え方を発信しているか
  • 地域での評判:ケアマネジャーや地域の関係者からの評価を参考にする

🏢 福祉事業者・介護事業者にとっての意味

今回のデータは、経営者・管理者にとって「他人事ではない」危機感を持つ材料です。生き残るためには「コスト管理」「人材定着」「サービスの質と生産性の両立」を本気で考えなければならない時期に来ています。

  • 加算の積極的な取得:処遇改善加算・生産性向上推進体制加算など、取得できる加算を最大限活用する
  • 業務の効率化:記録業務・シフト管理をICT・AIで効率化し、職員の負担を軽減する
  • 多機能化・連携強化:複数のサービスを組み合わせて利用者を支える体制づくりが経営安定につながる
  • 採用・定着への投資:賃金だけでなく、職場環境・やりがい・成長機会を整えることで、長く働ける環境をつくる
ポイント:特に小規模事業者は、「1つのサービスだけで戦う」構造から脱却し、複数事業を組み合わせた包括型ケアを目指すことが、経営継続の重要なカギになります。

🌏 札幌・北海道の地域福祉にとっての意味

北海道は広大な面積に人口が分散しており、都市部と郊外では介護サービスへのアクセスに大きな差があります。特に地方では、事業所が一つ閉じるだけで、地域全体の介護サービスが手薄になるリスクがあります。一方、札幌市内は事業所数が多く、競争も激しい地域です。経営体力のない小規模事業者が淘汰されやすい環境になっており、地域に根ざした安定した経営を続ける事業所の価値はますます高まっています。

🐾 わおん北海道の視点

株式会社わおん北海道は、障がい者グループホーム・訪問看護ステーション・訪問介護・住宅型有料老人ホームを組み合わせた「包括型ケア」を、北海道札幌市を中心に展開しています。

介護・福祉事業の経営が厳しさを増す中、私たちが大切にしているのは「支援品質と生産性の両立」です。kintoneをはじめとするICTツールを活用し、記録・情報共有・管理業務の効率化を進め、職員が本来の支援・ケアに集中できる環境づくりを目指しています。

グループホームから訪問看護・訪問介護・相談支援へとつながる「鎖構造」の事業体制は、利用者のライフステージが変化しても、同じ会社・チームが継続して支え続けることができる仕組みです。

わおん北海道の取り組み:保護犬・保護猫と共に暮らせるペット共生型グループホームでは、動物との日常的な関わりが利用者様の笑顔・活気・コミュニケーションのきっかけになっています。「人間福祉と動物福祉を同時に追求する」というミッションのもと、地域の皆さまの暮らしを支え続けます。

✅ 読者が今日から意識できること

利用者・ご家族の方へ

  • 現在利用している事業所の安定性(運営年数・法人規模・複数サービス展開の有無)を確認してみましょう
  • 万が一の際に備え、ケアマネジャーや相談支援専門員に「代替サービスの候補」を相談しておくと安心です
  • 事業所選びは「価格」「近さ」だけでなく「継続性・安定性」も基準に加えることをおすすめします

福祉・介護事業者の方へ

  • 取得可能な加算を整理し、申請・取得の計画を立てましょう
  • ICTツールの活用で職員の負担軽減を図りましょう
  • 採用・定着のためのキャリアパス・職場環境の見直しを、今から計画的に進めましょう
  • 近隣の事業所・法人との連携・情報共有の機会を持ち、孤立経営を避けましょう

求職者・職員の方へ

  • 就職・転職先を選ぶ際は、事業所の規模・法人体制・複数サービス展開の有無も確認しましょう
  • ICT活用・人材育成・DX推進に積極的な職場は、将来的にも安定しやすい傾向があります

📝 まとめ

2026年上半期、デイサービスの倒産が過去最多ペースで増加しています。コスト増・人材難・競争激化という三重苦が、特に零細・単体事業所に集中してのしかかっています。

この動きは介護業界全体の構造的な問題であり、短期間では解決しません。だからこそ、利用者・ご家族は「安定して続く事業所を選ぶ目」を持つことが大切です。そして事業者は「支援品質と経営の持続性を両立させる仕組みづくり」を本気で考える必要があります。

重要:福祉・介護は「人の暮らしを支えること」が本質です。安定した経営があるからこそ、安定した支援が届きます。倒産増加のニュースをきっかけに、事業所選び・働く場所選び・経営のあり方を、今一度考え直してみましょう。

株式会社わおん北海道は、「共に生きる」というミッションのもと、利用者様・ご家族・職員・地域の皆さまと一緒に、長く安心して暮らせる居場所をつくり続けます。障がい者グループホームや訪問看護・訪問介護・高齢者介護など、福祉・介護に関するご相談は、どうぞお気軽にお問い合わせください。

参考・参照元

一覧に戻る